
注文住宅を建てる際、自然素材の家に憧れる人は少なくありません。自然のぬくもりを感じられる素材は、見た目の美しさや健康への配慮からも注目を集めています。しかし一方で、メンテナンスやコスト面で不安を感じる方も多いのが実情です。そこで本記事では、自然素材の家の魅力とともに、事前に知っておきたい注意点について紹介します。
自然素材の家とは?安心して暮らせる住まいの基本を知ろう
自然素材の家とは、化学物質を含まない天然素材を使用して建てられた住宅のことを指します。一般的な住宅では、集成材のフローリングやビニールクロスなどの新建材が使われることが多く、これらには微量ながら化学物質が含まれています。
かつてはこうした建材が原因となるシックハウス症候群が社会問題となり、アレルギー症状や体調不良に悩む人が増加しました。現在では建材の安全基準が厳しくなり、発症例は減少傾向にあります。
しかし、それでも長く暮らすマイホームだからこそ、できるだけ安全で安心な空間にしたいものです。自然素材の家は、そうした健康への配慮から注目を集めており、家族が心地よく暮らせる住まいとして選ばれています。
自然素材を使った住まいづくりの魅力
注文住宅で自然素材を取り入れることには、多くのメリットがあります。見た目の美しさや手触りの心地よさだけでなく、毎日の暮らしをより快適で健康的にしてくれる機能が備わっているのが大きな特徴です。ここでは、自然素材を使うことで得られる主なメリットを3つ紹介します。
家族の健康を守る、安心の住まいづくり
自然素材の大きな魅力は、化学物質の使用を抑えた安心感です。かつては集成材やビニールクロスなどの建材に含まれる化学物質がシックハウス症候群を引き起こし、社会問題になったこともあります。
現在では規制が強化されてはいるものの、化学物質がまったく使われていないわけではありません。一方、自然素材は天然由来の材料であるため有害物質の心配が少なく、アレルギーや体調不良への不安も軽減されます。長く過ごす家だからこそ、健康に配慮した素材選びが大切です。
湿度と温度を自然にコントロールする快適性
自然素材には、住まいの空気環境を整える機能が備わっていることも魅力です。たとえば無垢材には、調湿性があり、湿度の高いときには空気中の水分を吸収し、乾燥すると逆に放出するため、年間を通じて快適な湿度を保ちやすくなります。
また、珪藻土などの壁材には消臭効果もあり、生活臭をやわらげる効果が期待できます。これらの性質は、エアコンや除湿機に頼らずとも自然な快適さを生み出してくれるでしょう。機械的な空調に頼りすぎず、心地よい暮らしが実現できるのは自然素材ならではの魅力です。
夏はさらっと、冬はほんのりあたたかく
無垢材や珪藻土などの自然素材は、表面に微細な気孔を持ち、空気中の湿気や温度の変化をやさしく吸収・放出してくれます。夏場は吸湿作用によって室内の空気がからっとして、べたつきにくく、裸足でもさらっとした感触が気持ちよく感じられます。
冬は蓄熱性が働き、暖房で温まった空気をほんのりと保ってくれるため、床に直接触れても冷たさを感じにくいのが特徴です。こうした自然素材の性質が、四季を通じて快適な住まい環境をサポートしてくれます。
自然素材の家で後悔しないために知っておきたいポイント
健康や快適性に優れた自然素材の家は多くの魅力がありますが、取り入れるにあたっては注意しておきたい点もいくつかあります。費用面やメンテナンス、素材の特性などを理解しておかないと、住み始めてから後悔することにもなりかねません。ここでは、自然素材を使う際に気をつけたいポイントを3つ解説します。
コストが高くなりがち
自然素材は一般的な建材と比べると、材料費や施工費が割高になることが多く、予算を抑えたいと考える方には負担になる可能性があります。とくに、自然素材をオプションとして追加する場合、費用が大幅に増えることも少なくありません。
ただし、自然素材を標準仕様としている工務店や住宅会社を選べば、素材の仕入れや職人の手配が効率的に行われ、コストが抑えられることもあります。自然素材の家づくりに実績のある会社を選ぶことが、予算内で理想の住まいを実現する第一歩です。
経年変化と手間を楽しめる心の余裕が必要
自然素材は、時間とともに色合いや風合いが変化していくのが特徴です。これは「味わい」として楽しむこともできますが、反りやひび割れ、隙間などの変化も起きやすく、メンテナンスには手間がかかります。
無垢材は湿気を吸収・放出することで快適な室内環境を保つ一方で、その調湿作用が影響して変形することがあります。人工素材と比べると手入れが必要な場面が増えるため、事前に素材ごとの特性や手入れの方法を把握しておくことが大切です。
傷や汚れのつきやすさを理解しておく
自然素材は柔らかさや風合いが魅力ですが、その分傷や汚れがつきやすいという側面もあります。
たとえば、無垢材の床はおもちゃや家具によって簡単に傷がつくことがありますし、珪藻土の壁は一度汚れると拭き取りが難しく、部分的に削って塗り直すなどの対処が必要です。
自然素材の美しさを長く保つためには、こまめなメンテナンスと「手をかける暮らし」を受け入れる心構えが必要です。
まとめ
自然素材の家は、健康的で快適な暮らしを実現する魅力的な選択肢です。天然素材ならではのやさしさや機能性は、家族みんなにとって心地よい空間をつくり出してくれます。ただし、自然素材には独自の特性や注意点もあるため、事前にきちんと理解し、納得した上で取り入れることが大切です。コストやメンテナンスといった現実的な面も含めてしっかり検討し、自分たちに合ったかたちで自然素材を活かした住まいづくりを目指しましょう。
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引用元:https://sevenhouse.jp/