夢の注文住宅を建てるとき、理想の暮らしをイメージしてワクワクする一方、お金の心配が大きい方も多いでしょう。なかでも悩む方が多いのが「頭金」についてです。最近は頭金なしでも家を買えるケースもあり、頭金は必要なのか、必要な場合どのくらい用意すればいいのか悩むでしょう。そこで本記事では、頭金の相場や目安を徹底解説します。
注文住宅の頭金の必要性
そもそも注文住宅の頭金とは、住宅代金の一部を先払いするものです。頭金と住宅ローンを組み合わせて住宅購入をするのが一般的ですが、最近は住宅代金すべてを住宅ローンで支払い、頭金ゼロで住宅購入をする方も増えています。では実際に頭金の必要性を考えるため、頭金を支払うケースと頭金ゼロのケースを見ていきましょう。
頭金を支払う場合
住宅代金から頭金を差し引いた分で住宅ローンを組むことになるため、頭金が多ければ多いほど住宅ローンを組む金額が少なくなり、月々の返済も少なく済みます。住宅ローンを組む金額が少ないことで、返済期間も短くできるでしょう。
ただし、頭金を支払うとなると、必然的に手元の現金が減ることになります。住宅購入には、住宅代金だけでなく、税金や手数料といった諸費用もかかります。また、いざというときのためにある程度の現金を残しておく必要もあるでしょう。そのため、頭金を支払う場合は、それなりの現金を貯める必要があるのです。
頭金ゼロの場合
頭金ゼロで住宅購入をする場合、初期費用が抑えられるのが大きなメリットです。諸費用を支払う必要はありますが、頭金の分の現金は減らないため、手元により多くの現金を残しておけます。
ただし、頭金ゼロで住宅を購入する場合、その分住宅代金のすべてを住宅ローンで借りることになり、借入額が高額になります。借入額が高額な分、金利も上乗せされるため、頭金を支払うケースに比べると、最終的な返済総額が大きくなってしまうのがデメリットでしょう。また、毎月の返済額も大きくなるため、生活を圧迫しかねません。頭金ゼロで住宅を購入する場合、綿密な資金計画が必要になります。
注文住宅の頭金の目安と計算方法
注文住宅の頭金は、住宅代金の1~2割が目安といわれています。ではここから、住宅代金別の頭金の目安を見ていきましょう。
住宅代金2,000万円
2,000万円の住宅を購入する場合、頭金1割だと200万円、2割だと400万円を用意することになります。そのほか、現金で用意する諸費用は住宅費用の1割がかかるとされているため、頭金と別で200万円が必要です。したがって、2,000万円の住宅を購入するときの自己資金は400万~600万円あるとよいでしょう。
住宅代金3,000万円
3,000万円の住宅を購入する場合、頭金1割だと300万円、2割だと600万円が必要です。住宅代金の1割である300万円を諸費用として考えると、3,000万円の住宅を購入するときは、600万~900万円ほどの自己資金があるとよいでしょう。
住宅代金4,000万円
4,000万円の住宅を購入する場合、頭金1割だと400万円、2割だと800万円が必要です。住宅代金の1割である400万円を諸費用として考えると、4,000万円の住宅を購入するには、800万~1,200万円ほどの自己資金があるとよいでしょう。
注文住宅の頭金を抑えるための方法
頭金の相場をお伝えしましたが、子どもの年齢など、タイミングによっては目安となる自己資金を用意できないケースも多いでしょう。ここで、注文住宅を購入するときに自己資金を抑えるための方法をご紹介します。
仲介手数料を抑える
家とあわせて土地も購入する場合、ハウスメーカーに土地探しを依頼すると、仲介手数料を抑えられることがあります。一方、不動産会社を通して土地を購入する場合、価格に応じて法律で定められた仲介手数料を支払わなければいけないのです。そのため、ハウスメーカーを通して土地を購入したほうが、初期費用が抑えられるでしょう。
各種保険料を抑える
住宅購入にあたって加入する保険料を抑えるのも一つの手です。住宅を購入すると加入する火災保険は、月払い、年払い、10年一括払いなど、支払方法が選べます。10年一括払いにすると、払い込み保険料の総額をかなり抑えられるでしょう。
諸費用込みの住宅ローンを利用する
住宅ローンのなかには、諸費用込みの住宅ローンもあります。初期費用として用意できる自己資金が十分にないという場合、諸費用込みの住宅ローンを利用するのも一つの手です。ただし、借入金が高くなり、支払う金利も多くなるため、資金計画には十分に注意しましょう。
まとめ
注文住宅の頭金について解説しました。注文住宅の頭金は、住宅代金の1割~2割を支払うのが理想です。しかし、ほかに現金で用意しなければならない諸費用のことや、手元に残しておかなければならない現金のことを考えると、なかなか理想の頭金を支払えないケースも多くあります。それでも注文住宅を購入したいという方、綿密な資金計画を立て、初期費用を抑える方法を講じながら、無理のない住宅購入を叶えてください。